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フランスの「暴動」

ぜんぜんLAバナシじゃなくてスミマセン。
フランスの「暴動」について、ニュースでいろいろ聞こえてきます。気になって、かの国に住んでいる何人かに、現地の状況や、実際のところ何が起こっているのか、聞いて見ました。きっと国中に不穏な空気が漂っているに違いない、と思ったので。
しかし、皆が異口同音に、「外国のメディアが流している情報ほどにはひどくないし、市民革命とか暴動とか内乱とか、そんな大げさなことにはなっていない」「車の炎上は映像としてショッキングだけど、それはごく一部の限られた場所で起きていることだから、そんなに心配しないで」と言っていました。
わたしは英語はほとんど、特に聞き取りにいたってはNGだから、こちらのテレビのニュース等からではなく、むしろ日本の検索エンジンや新聞等のサイトから情報を得ているわけですが、それらの情報と、わたしがパリかその近郊に住んでいる人たちから得た情報とが、なんとなく乖離しているように感じられます。なぜなんだろう。
昔、大学時代に、ある教授から言われたことがあります。遠くは小さく見え、近くは大きく見えるのだと。だから、例えばヨーロッパのある国から見て、紫式部と松尾芭蕉は「日本文学」という枠の中で十把ヒトカラゲに見えるが、それを日本人が知ったら、こんなに巨大な紫式部を、こんなに巨大な松尾芭蕉からなぜ切り分けられないんだ、と腹立たしく感じるだろう。けれど、逆の視点からよくよく自分を見直せば、じつは日本人もその国に対して、似たようなことを好むと好まざるにかかわらずやってしまっているものなのだ、と。
でも、今は、情報が矢のように、しかも映像というお化けを伴って吹っ飛んでくる時代・・・。遠くが小さく見え、近くが大きく見えるって大前提を、皆が了解し続けられるようなゆとりがもてないままに、目の前の情報を瞬時に批判し判断しないといけない・・・。しかも、昨今では、実は、遠くが大きく見え、近くが小さく見えるような情報の流れ方さえ、しているかもしれない・・・。
信じるに足る情報って、なんだろうなあと、などと考えてしまいます。結局は、情報そのものよりも、情報の咀嚼能力・批判能力をいかにキープするか、という問題なのかも、と思います。

追記1(11月7日) Yahooニュースで、「海外のメディアの報道には誇張がある」という意味のことをフランスの観光相が言ってるって記事が載ってました。
追記2(11月8日) フランス、非常事態宣言ですか・・・。うう~ん。いよいよ、わかんなくなってきたぞ・・・。実際のところ、今どんな状態なんだろう・・・。11月8日付けのVoilaにも、「フランスのメディアと海外のメディアは、今回の暴動を報道する姿勢がまったく違う」と、メディアのあり方に警鐘を鳴らす記事が乗ってるしな・・・。でも、非常事態宣言ってなると、もうメディアのあり方云々の問題でもない気がするしな・・・。
by la37_losangeles | 2005-11-08 01:04 | 言葉・ことば・コトバ


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